菅家アーカイブ

過去のブログで書いてきたお笑いDVDレビューをまとめました。

渋味か老齢か『D-Generation X』

東京ダイナマイト「D-Generation X」 [DVD]

東京ダイナマイト「D-Generation X」 [DVD]

東京ダイナマイトの最新DVD『D-Generation X』を購入した。Amazonで予約が出来ない状態が続いていたときはどうしたものかと思ったけれど、なんだかんだで発売日に購入することが出来て、一安心。一緒に購入した『つかじの無我 〜12人の証言者〜4』を放ったらかしにして、とっとこ鑑賞した。
DVDを再生して、まず驚いたのが拍手。冒頭コント『寿司を喰わずに死ねるか!』は、二人がそれぞれ違うタイミングで登場するのだけれど、ちゃんと各自が顔を出すたびに拍手が起こっていた。それ自体は、凄く当たり前なんだけれども……いわゆるお笑いのライブって、歓声みたいな盛り上がった拍手が起きることが多いんだけど、この時の拍手は「あ、舞台が始まったぞ」という、期待感に満ちた拍手なんだなあ。その辺り、東京ダイナマイトの客は落ち着いているなあ、と実感した。
その後も、コントは淡々と続く。関西人のノリをパロディした人情(?)ドラマ『あぁ関西』、自分の名前が呼ばれるたびに小躍りしてしまう『待合室 〜オレがマツダさんだ!〜』、あの女性が再び舞台に!な『青春2』、あらゆる状況を全て投げっぱなしにするショートコント『ニューシュールパラダイス』など……彼ららしい、ちょっと挑戦的なスタンスから繰り出される、ヘンテコな笑いの数々に、ニヤニヤした。
ただ今回、どうにも我慢できなかったのが、幕間映像。何故だかは分からないけれど、東京ダイナマイトのライブに流れる幕間映像は僕との相性が最悪らしく、前回の『DYNAMANIA』の幕間映像も、僕はあまり好きになれなかった。しかし、今回のはそれ以上。特に『Dynamite将棋』は、かなりバカバカしい映像っぷりにニヤニヤしていたのに、だんだんと嫌悪感が増していき、最後には画面から目を背けてしまうほどの合わなさぶり。どうしてこんなに合わないのか……不思議で仕方ない。元々、彼らのライブでの幕間映像は、そのライブの会場にいてこそ楽しめるようなものが多いように思う。だから、あんまり自宅のテレビには合わないのかな? ……と、コジツケてみるけれど。なんだかなあ。
でも、そういう点を除けば、楽しめる作品だった。……んー、ただ『DYNAMANIA』の頃のほうが、バリエーション豊かな笑いに挑戦していたような。キャッチーさが無くなったというか。去年のM-1グランプリでの敗者復活戦で、漫才師として急成長した彼らの姿を見ることができたけれど、芸が安定した分、若さが失われてしまったのかもしれない。うーん、諸刃。

・本編(90分)
『寿司を喰わずに死ねるか!』『あぁ関西』『Dynamite梅』『待合室 〜オレがマツダさんだ!〜』『Dynamite将棋』『青春2』『ニューシュールパラダイス』『Dynamiteチャゲ』『スーサイド小学生』『Dynamiteギャンブル』『なめこジャパン女子プロレス』『あの夏のボクはまだ青くてプールの監視員に叱られるようなジェネレーション』『ゴリラ・レディオ』『取調べ 〜冤罪 冤罪 また冤罪〜』『キス&クライ』