菅家アーカイブ

過去のブログで書いてきたお笑いDVDレビューをまとめました。

傑作演映2006『ラーメンズ第15回公演 ALICE』

ラーメンズ 第15回公演 「アリス」 [DVD]2006年は、ラーメンズにとって記念すべき年だった。知っている人は知っていると思うが、ラーメンズは1996年に結成されたコンビ、つまり2006年はラーメンズにとって十周年の記念年だったのである。しかし、その年にラーメンズは、ラーメンズとしての活動をまったく行わなかった。少なくとも、ラーメンズとして舞台に立つことは無かった。そんなラーメンズが唯一、2006年に力を入れたことが、生産物の販売だった。……そうして、『ラーメンズ第15回公演 ALICE』が発売された。公演終了から、およそ一年後の発売だった。正直、当時の僕はラーメンズに辟易していた。ここまでファンを舐めたことをやって良いのか、と思ったのである。公演から一年も待たせやがって、一体何様のつもりだ……ということを、本当に思っていた。しかし、この公演を観て……何か、鱗の様なものがポロッポロッと落ちた。面白いのである。とにかく、面白いのである。ある言葉をきっかけに場面がコロコロ変わる『モーフィング』、何処か古典的な匂いを醸し出しつつも斬新な『風と桶に関する幾つかの考察』、そして……『日本語学校アメリカン』以来の『不思議の国のニポン』……全てがそれぞれの面白さを、十二分に引き出している。これだけ面白いモノを作られてしまったら、もう黙るしかないと思った。なんだかとても悔しかった。小林賢太郎片桐仁の高笑いが聞こえたような気がした。その姿を想像して、また僕は笑ってしまったのであった……うーん……。

5月17日・収録時間99分