菅家アーカイブ

過去のブログで書いてきたお笑いDVDレビューをまとめました。

傑作演映2006『bananaman live kurukuru bird』

bananaman live kurukuru bird [DVD]どうも『SugarSpot』以降のバナナマンは、ずっと不調が続いていたように思う。とても個人的な意見で申し訳ないが、かつてのバナナマンが放っていたアンダーグラウンド性が薄れ、それでいて一般ウケをしているかというとそうでもないような、中途半端なコントを生産していた。どのくらい中途半端だったのかというと、なんとなくではあるが「もうバナナマンの単独ライブDVDを買うのは止めたほうが良いのかもしれないなァ……」と思ってしまったほどに中途半端だったのである。決して面白くないわけではないが、惹きつけられるものが無い。そんな状態が、ちょっとだけ続いていた。しかし、この『kurukuru bird』では、バナナマンに一つの光明が差したように思えた。『kurukuru bird』に収録されているコントは、ここ数年と同様にアンダーグランウド性は失われていたが、その一方で、以前からバナナマンが少しだけ滲ませていた「青臭さ」「青春臭さ」が前面に押し出されており、それがバナナマンに新しいテイストを生んでいたのだ。良く言えばハートフルになった。悪く言えば、甘ったるくなった。いずれにしても、バナナマンのコント世界は、一つの革新を迎えたようである。次回公演あたり、化けるのではないだろうか……そんなわけで、また次の単独ライブDVDも買うのである。

12月6日・収録時間98分+特典8分