傑作演映2006『球根2』

芸人さんが成長する姿を見るということは、芸事の観客にとっては至福の行為であると言えるのではないかと思う。以前から目をかけていた芸人さんは当然のこと、それほど興味の無かった芸人さんがちょっと面白い感じになっていると、もうこれは嬉しいというか、喜ばしいというか、とにかくとても愛しい気持ちで溢れかえってしまう。このインパルスの『球根?』は、まさにそういった内容のDVDだった。前作『球根』に比べて、明らかに成長している。コントの内容自体、これは圧倒的に『球根』の方が良い。名作『取り調べ』などは、何度観ても思わず「面白いッ！」と唸ってしまう完成度の高さだ。しかし『球根』は、演じている二人が急ぎ足でコントを進めているように見え、演者の未熟さが感じられた。収録当時、仕事に追われていた時期だったのかもしれない。一方、今回の『球根?』では、二人ともノビノビと演じていた。あまり時間の切迫を感じさせられず、かなり当人らが「しっかりやろう」という意識を持って演じていたのではないだろうか。非常に良かった。コントのスタイルも多種類になっており、妙な緊張感を覚える『葬式』の様なコントから、二人がほのぼのと会話する『東京タワー』まで、非常の芸の幅の広がりを感じた。この数年で、インパルスのコントは大いに進化したようである。

9月27日・収録時間123分＋特典10分